時事通信 外信部2025年01月15日12時43分配信
15日、ソウルの韓国大統領公邸付近に集まった尹錫悦大統領の支持者ら
【ソウル時事】韓国の合同捜査本部が尹錫悦大統領への拘束令状の再執行に踏み切った15日午前、氷点下の冷え込みの中、ソウル市内の大統領公邸前に集結していた支持者に尹氏拘束の報が伝わると、「(尹氏に)恥をかかせるために拘束した」と当局を批判する声が上がった。一方、拘束を求めて集まった市民は抱き合って喜びを分かち合った。
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尹氏を乗せた車を含むとみられる車列は午前10時半すぎ、厳重な規制が敷かれ、立ち入り禁止となっていた公邸の正門を出発。約20分後、警察車両がずらりと停車するソウル南郊の高官犯罪捜査庁(高捜庁)の庁舎に到着した。
これより先、公邸近くには早朝から主催者発表で約2万人の尹氏の支持者が集まり、「大統領を守る」と気勢を上げた。「このまま通すな!」「警察は出て行け!」。支持者らは公邸付近で列を成して移動する警官隊に詰め寄り、太極旗や星条旗を手に持つ人の姿も。一部は公邸に通じる歩道に設けられたバリケードの前で警官隊ともみ合いになり、制止された。
他の支持者らも寒さに耐えながら「警護庁頑張れ」などと声をからした。トラックの荷台に設置された演台の上から「戒厳は平和的に終わった」と訴え、流血の事態を避けるために「非常戒厳」宣言を解除したと尹氏を擁護する支持者もいた。
公邸付近では、尹氏の拘束を求める集会も開かれた。警察がはしごを使って公邸敷地内に進入したことが周知された瞬間、拍手が湧き、拘束が伝えられると「人生で一番うれしい日だ」(70代女性)などと歓声を上げた。
韓国メディアによると、警察は公邸周辺の安全管理のため、機動隊約3200人、バス約160台を動員した。
最終更新:2025年01月15日12時43分